達夫の蟹工船 その伍

違法薬物の入り口は、シンナーだった。
ガソリンスタンドのハイオクや
ホームセンターで売っている、とあるメーカーのボンドが
シンナーとしては、手軽に入手できて、コスパが良いという
どこから来たのかわかならい情報を入手。

そして、シンナーを吸う場所は田舎ならではの場所だ。
深夜のビニールハウスが最適だった。
幾つか建っているビニールハウスの
真ん中のハウスに入れば、人影も見えないので、見つからない。

最初は、そんな感じで手に染めていく。

それが段々エスカレートしていく。

友人と吸っていたモノが、達夫一人で吸うようになり、
シンナーも人から買うようになる。

そうすれば、売る側から色んな提案を受ける。
大麻や訳のわからない錠剤だ。

この訳のわからない錠剤を達夫らは、”マメ”と呼んでいた。
マメを口に含むと、ボーっとして、時には幻覚にようなモノを見る。

部屋にあったコンポの前に、山下久美子が妖精となって、出現し、踊りだしたり、
ビニールハウスのダイコンが勝手に抜き出て、しゃべり出したりと。

ただ、マメの効果が切れた後が、ダルい。
とにかくダルいし眠い。

そして、達夫は、このマメの効果に飽きてくる。
飽きてくるというよりは、ボーっとしたり、幻覚を見ることが少ないなってきた。

達夫は部屋から、鮮やかな夕日が見える。
そしてシンナーを吸いながら、ふと思う。
『俺、ヤバイな』と。

達夫はもうすぐ高校3年生になろうとしていた。

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