私の上司は、なぜか行方不明になることが多い。
全員が全員ではないが、行方不明で退職される。
社会人なりたて直後の上司の話。
その上司の口ぐせは、
『まぁまぁ』だった。
揉め事の多い職場で、
スタッフ間で何かしら揉め事が起こっている。
その揉め事を解決するために
スタッフが上司に話をして、判断を仰ぐ。
上司は、その揉め事の詳細を事細かに聞く。
そして上司は、一定の話を聞き終え、
『まぁまぁ』で終えていく。
解決なんてない。
『まぁまぁ』で終わりだ。
スタッフの中には、その終結に
不満も持って行動を起こす人もいた。
その行動とは
上司の上司に話をもって行くということだ。
そうすると、どうなるか。
上司の上司に、その上司が呼ばれる。
しばらくして、
その上司が肩を落として帰ってくる。
そして、再度スタッフ間の揉め事の解決に乗り出す。
それでも、話の終着点は『まぁまぁ』だった。
僕はそんな上司が大好きだったし、今でも好きだ。
一緒に仕事をしていて、落ち着くし、
ご飯を食べに行っても、楽しい。
でも、ある日を境に出社しなくなった。
周りに話を聞くと、行方がわからなくなったそうだ。
その後、風の噂で、
どこどこで働いているらしいという話は聞いた。
そう、これから先も、こんな風に
私の上司は行方不明になる人が出てくる。
Goran HorvatによるPixabayからの画像